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アクションマスター全員集合

 アクションマスターとは、1990年に旧トランスフォ−マー(すなわちGeneration1)の最後期にアメリカで登場した、アクションフィギュアスタイルの変形しないトランスフォーマー達のことである。やはり「変形しない」トランスフォーマーという事実はあまりにもショッキングで、ファンの間でも賛否両論が分かれ、大きな波紋が広がった。実際、アクションマスターを最後にアメリカのトランスフォーマーの展開は休止に入り、その後G2として復活するまでには2年の歳月を待たねばならなかったわけだが、その間にもヨーロッパでは新アクションマスターの発売やヨーロッパ独自の展開が続いていたことは、多くの人の知るとおりだ。

 ここでは、変形しないが故にトランスフォーマーの異端児として、ややもすると存在され忘れられがちなアクションマスター達にスポットを当て、再評価してみたいと思う。

設定

 トランスフォーマー達はエネルギーの枯渇という深刻な問題に直面していた。そんなときブラックホールで発見された新たなエネルギー源、それがニュークリオンである。ニュークリオンはトランスフォーマー達をパワーアップさせる効果を持つ反面、変形回路をエネルギー炉に変えるため変形システムが動作不能になるという致命的な欠陥を併せ持っていた。ニュークリオンによってパワーアップしたトランスフォーマー達は、変形能力を失った事による戦力の低下を変形可能なサポートメカによって補い、ここに新たな戦いの火蓋が切って落とされたのである。
 設定上はこうした経緯によって誕生したアクションマスターだが、約半数が初期に活躍していた人気キャラクター、そして残りが新規のキャラクターという構成になっている。この時期、トランスフォーマーはそれ以前と違って玩具自体の魅力にやや乏しく、遊びよりもデザインの奇抜さに主眼をおいたプリテンダーフィギュアや、過去の人気キャラクターを形を変えて復活させるプリテンダークラシックスなどの企画が見られた。そうした背景の元に始まったのがアクションマスターという新展開である。
 元来、メインのシリーズとは独立し、人気キャラクターをセレクトして別フォーマットでコレクションするという、例えばGIジョーのホール・オブ・フェイムや、バンダイの戦隊ロボコレクションのような企画だったのではないかと推察される。が、これを無理やりメインのストーリー設定に組み込んでしまったため、トランスフォーマーの世界観は大きく混乱することになってしまう。何しろこのニュークリオンというやつのせいで、このあとしばらくはトランスフォーマーが変形できない時代になってしまったのだ。結局、ヨーロッパにおいてはニュークリオンと変形システムのバランスを取ることに成功したという設定の「アクションマスターエリート」を間におくことによって、以後の展開との橋渡しをしているが、私の知る限りではアメリカにおいてはこうした間をつなぐ設定はなく、Generation2において突然何事もなかったかの様に元に戻っている。(日本では、最初からアクションマスターは存在していない。)

仕様

 アクションマスターは身長約10pのアクションフィギュアで、可動部は首、肩、膝、及び股である。基本的に関節は一軸回転式のシンプルなものだが、股関節のみはボールジョイント+ゴムによるテンションで非常にフレキシブルなものとなっている。とはいえ、G2やビーストウォーズなどのスーパーポーザブルを見慣れた目には、かなり物足りなく映るだろう。基本的に変形は不可能だが、例外的に変形が可能な「アクションマスターエリート」というものも4体だけ存在する。足の裏には3o径の穴が開いており、乗物や基地などの各部にある突起に固定することができる。
 また、各々のフィギュアには必ずそれをサポートするメカがセットになっている。付属のメカは小型のロボットや乗り物、個人用装備など様々で、アクションマスターはその付属メカのサイズによってクラス分けされている。そして、この付属メカは、変形できない本体ロボットをサポートするためにすべて変形が可能となっている。すなわち、この変形可能な付属メカの存在が、アクションマスターをトランスフォーマーの一員として踏みとどまらせているのだ。

キャラクター紹介

 では、発売年度とシリーズごとに、各キャラクターを紹介していこう。

1990年

Action Master Figures I

 フィギュアシリーズI〜IIIは、いずれもアクションマスターフィギュアと小型のサポートメカのセットである。それぞれAUTOBOT/DECEPTICON数の比が2:1であり、やはり善玉の方が多くラインナップされている。小型メカは、いずれも強力な火器に変形し、ハンドガンと接続することができる。

Soundwave/Wingthing:言わずと知れたサウンドウェーブ。Wingthingはコウモリ型のサポートロボ。ラットバットを彷彿とさせる。

Treadshot/Catgut:リボルバーを模したボディデザインが面白い。ガンタイプといえばミクロチェンジのマグナムロボを連想させるが、こいつは銃口が正面を向いている。(実は、これによく似た変形玩具が存在するが、トランスフォーマーではない。)Catgutは猫科の猛獣(ジャガー?)型のサポートロボ。

Grimlock/Anti-Tank Cannon:もちろんあのグリムロックである。アンチタンクキャノンにはキャタピラを備えており、グリムロックを載せることもできる。

Jazz/Turboboard:マイスター副官。ターボボードは早い話がエンジン付きのスケートボード。マイスターのイメージに良く合い、ライディングポーズもかっこいい。

Rad/Lionizer:流線形のラインがかっこいいアクションマスターオリジナルキャラ。変形モードも、バイクか何かを想定していると思われる。(非変形とは言え、アクションマスターオリジナルキャラも基本的に変形モチーフを持っている。ただし、判別できないものもあるが。)サポートロボのライオナイザーは、その名の通りライオン型。

Rollout/Glitch:装甲車をイメージしていると思われる、ごつごつしたデザインが特徴。Glitchはいかにもサポートドロイドといったデザイン。マーベルコミックにも登場している。

Action Master Figures II

Devastator/Scorpulator:なぜか合体兵士のはずのデバスターが、単体のアクションマスターとして登場。サソリ型のScorpulatorをパートナーに持つ。

Krok/Gatorader:ワニ使いのアクションマスターオリジナルキャラ。何に変形するのかよくわからない。マーベルコミック末期に登場し、デストロン側では結構目立っていた。

Bumblebee/Heli-Pack:アニメそっくりの顔をしたバンブル。ローターの付いたヘリパックで空を飛ぶ。

Blaster/Flight-Pack:こちらはなぜか元の玩具そっくりの顔をしたブロードキャスト。こちらはジェットで空を飛べるようだ。

Jackpot/Sights:スポーツカーに変形すると思われる、アクションマスターオリジナルキャラ。鳥型のサポートロボSightsがパートナー。

Mainframe/Push-Button:シンプルなデザインラインが特徴のアクションマスターオリジナルキャラ。どうやらコンピューターがモチーフと思われ、そうした機能を設定されている。相棒のPush-Buttonは、ややレトロなデザインのサポートロボ。

Action Master Figures III

Shockwave/Fistfight:元の玩具がタカラ製でないキャラクターの中から、唯一のラインナップ。元のデザインの特徴をよく捉えている。左手はもちろん銃である。相棒はサポートドロイドのFistfight。

Banzai-Tron/Razor-Sharp:特異なネーミングが印象的なアクションマスターオリジナルキャラ。クリスタロキューションというマーシャルアーツの使い手で、相棒はカニロボのレイザーシャープ。ちなみに、カタログでは試作が間に合わなかったのか、代わりにプリテンダーのオクトパンチ(の中身)の写真が載っている。

Inferno/Hydro-Pack:やけに玩具に忠実なインフェルノ。装備は当然の事ながら、消火用の放水パックである。

Snarl/Tyrannitron:ダイノボット部隊から2匹目のエントリーはスナール。本体の出来はいまいちかな。相棒は、ティラノサウルス型のその名もTyrannitron。

Skyfall/Top-Heavy:デザイン的にどことなくスターセイバーをイメージさせるアクションマスターオリジナルキャラ。飛行メカに変形しそうな本体とは対照的に、相棒は重量感のあるサイ型ロボTop-Heavyである。

Kick-Off/Turbo-Pack:オートボットらしくレーシングカー(ポルシェ?)に変形すると思われるアクションマスターオリジナルキャラ。ターボパックは背中に装備して空を飛ぶ。

Action Master Action Blaster Vehicles

 アクションブラスタービークルは、アクションマスターフィギュアとバイクくらいのサイズの小型ビークルのセット。乗物は、一部スプリングアクションで、それぞれ攻撃形態(砲座)に変形する。また、ロボットの盾になるパーツを隠している。

Turbo Cycle with Prowl:パトカーのプロールが白バイに乗っている。プロールのディテールがチョイと甘いが、全体の造形やバイクにまたがったポーズは格好良い。タンクカバーのあたりを取り外して盾にできる。

Off-Road Cycle with Axer:サイドカーにまたがるアクションマスターオリジナルキャラ。デザイン、造形共に面白い。サイドカー自体はロケットランチャーで他のキャラは座れないが、外側のパネルを開くとそこに一人乗せることができる。

Helicopter with Over-Run:そのまんまな名前のヘリに乗ったアクションマスターオリジナルキャラ。

Turbo Jet with Starscream:やっぱり登場のスタースクリームは、ターボジェットに乗り高速で飛行。フィギュアは元のデザインの特徴をよく捉えている。

Action Master Autobot Vehicles

 名前の通り、両方ともオートボット(サイバトロン)で、アクションマスターフィギュアと中型ビークルのセット。ビークルは、いずれも自動車から飛行形態に変形する。

Autobot Turbo Racer with Wheeljack:ホイルジャックが乗るターボレーサーは。フェラーリテスタロッサあたりを彷彿とさせるディテール。ジェットへ変形するが、変形方法はダイターン3のマッハアタッカーそっくりである。

Autobot Attack Cruiser with Sprocket:スプロケットはディテールなどからジェット機に変形したと思われる、アクションマスターオリジナル。彼のアタッククルーザーは、オフロードカーからヘリコプターに変形する。

Action Master Decepticon Attack Vehicles

 こちらは逆に両方ともディセプティコン(デストロン)で、アクションマスターフィギュアと大型戦闘ビークルのセット。それぞれ分離変形して、攻撃基地と小型ビークルになる。

Decepticon Megatron's Neutro-Fusion Tank:メガトロンは戦車に乗って登場。戦車の砲身は彼の融合カノン砲のようである。砲塔部分が分離してジェットになり(マゼラアタックみたい)、台車部分は変形して戦闘基地になる。

Decepticon Gutcruncher's Stratotronic Jet:ガットクランチャーは、何とメガトロンと同じ地位10ポイントを誇る戦闘司令官。彼自身は戦車か装甲車に変形したようである。彼の乗るF-14風の戦闘機は、機体後部が分離して偵察車に、機首と尾翼を組み合わせてジェットドローンになり、残る機体はやはり攻撃基地になる。

Action Master Autobot Armored Convoy

Autobot Optimus Prime:アーマードコンボイは、超大型のトレーラートラック。キャブの部分はジェット機に、コンテナ部分は大型攻撃基地に変形する。乗物シリーズも数の上ではオートボットが多いが、オートボットは中型2台と超大型1台、ディセプティコンは大型2台と、サイズでバランスを取っているようである。一つ問題があり、こいつだけ足の裏の穴や各部の突起のジョイント径が一回り大きいのである。おかげで、せっかくの大型基地でありながら他のフィギュアと完全な互換性がない。(座らせたりするぐらいなら問題ないが。)
 なお、彼のフィギュアのみが、日本でスターコンボイ発売時のキャンペーンで配布されたことがある。

1991年

Action Master Figures IV

 ここからは、ヨーロッパなどでのみ発売され、アメリカでは販売されなかったシリーズ。2年目に入って手慣れたせいか、フィギュアの出来は前年のものよりも良いようである。オートボットのフィギュアには小型の戦車、ディセプティコンには動物型メカが付属しているが、いずれも前年のものと異なり、背中に装着するとワンタッチでフィギュアの頭部に被さり、ロボットそのものの攻撃力を強化するものである。なお、この年新規に設計されたフィギュアや乗物では、表面の一部が梨地のものが多い。

 

Bombshell/Needler:インセクトロンから唯一アクションマスター化。角が無くなった代わりに、手に持つ銃が角そっくりのデザインになっているあたり芸が細かい。サポートロボはやはり虫型。

Charger/Firebeast:何に変形するのかよくわからない、アクションマスターオリジナルキャラ。腹にバルカン砲が付いているあたり、攻撃ヘリか何かだろうか。サイ型のサポートメカと合体する。ミニボットのチャージャーと関係ない。(あちらの本名は"WINDCHARGER")

Take-Off/Screech:こちらは胸にジェットエンジンらしいものを付けた、アクションマスターオリジナルキャラ。鳥型のサポートメカと合体する。

Sideswipe/Vanguard:おなじみランボルである。2門のビーム砲を持つ彼のサポートメカは、他の二人のものと異なり砲身以外にレーダー部分も可動。

Tracks/Basher:同じくトラックス。彼のサポートメカの装備は、どちらかというとレーダーのように見える。

Powerflash/Road Rocket:アクションマスターオリジナルのパワーフラッシュは、ジェット機に変形したと思われる。彼のサポートメカは、4基のミサイルを装備している。

Action Master Exo-Suit Vehicles

 

 前年のアクションブラスタービークルに相当するシリーズだが、ビークルはそれぞれ変形してアクションマスターのエクソースーツ(パワードスーツ)になる。ただし、フィギュア自体は前年発売されたものの色替え。

Super Sonic Race Car with Circuit:本体のフィギュアは昨年のAxer(ディセプティコン)の使い回し。レーシングカー風のカートが変形してパワードスーツになる。

Solo Mission Jet Plane with Thundercracker:サンダークラッカーだけあって、昨年のスタースクリームの色を変えただけである。ただし、昔のサンダークラッカーと色が一致する部分は微塵もない。紫に赤紫に黄緑に水色に銅色と、とにかくサイケに塗りたくった感じだ。ステルス機風のジェットの色は紫と黒のツートンカラーで、こちらはスカイワープのカラーによく似ている。

Action Master Motorized Exo-Suit Vehicles

 

 上と同じくビークルがフィギュアのエクソースーツに変形するが、電動モーターを内蔵しており、ビークル形態、スーツ形態の両方で自走可能。スーツ形態は、パワーローダー風のものとなっている。ただし、やはりフィギュアは前年の使い回し。

4WD All Terrain vehicle with Rumbler:前輪にトゲ付きの鉄球を付けた、痛そうな乗り物に乗っている。実は、モーターを内蔵したシャーシ自体はオートボット・ディセプティコンとも同一のもので、武装などの装飾品だけが違うのである。フィギュアは前年のスプロケットの色変え。

4WD Assault Vehicle with Slicer:こちらは前輪にノコギリを付けており、スーツモードではブンブン回転させることができる。フィギュアは何とホイルジャックの使い回しだ。そんな有名なキャラを使うことも無かろうに。

Action Master Elites

 

 数あるアクションマスターの中で、唯一フィギュア自体の変形が可能なシリーズ。とはいえ、基本的にはアクションフィギュアとしての関節を変形に使っているものがほとんどで、変形自体は体の軟らかい人なら真似できそうなレベルである。変形に加えて、スプリングとギアによるアクションギミックも内蔵している。ただし、ギアなどが非常に脆く、たとえ未開封でもオイルなどで浸食されている可能性が高いため、こちらで遊ぶことはお奨めできない。特に、レバーを押して引っかかるような感じがあるときは、ピニオンギアにヒビが入っている兆候だから要注意だ。(修理にはミニ4駆用のギアが使えるぞ。)

Omega Spreem:綴りは若干違うがオメガスプリーム。(本来は"OMEGA SUPUREME")レバーアクションで2本の砲芯が回転するレーザータンクに変形する。ロボットモードでは腰から上がクルクル回るツイスト野郎だ。

Windmill:エリートの中では唯一の完全オリジナルデザイン。ロボット形態では完全に左右非対称で、前後対称というデザインがユニークである。ヘリコプターに変形し、ローターが回転する。ローターを回すと風が起こるほどよく回る。ロボットモードでは左腕を武器ごと振り回して攻撃する。

Double-Punch:何と、どう見てもブラックザラックである。日本オリジナルキャラから、唯一のアクションマスター化。もちろん変形モードはサソリだ。変形前後共に、レバー操作で内蔵したクランクにより両腕を上下に振る。が、一番壊れやすいようだ。

Turbo-Masterこちらはブルーティカスがモデルらしい。レバー操作で両拳が回転するので、翼などを武器として持たせて回転させることができる。飛行形態に変形すると、拳の先にローターをつけて回転させる。

 


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