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人生楽ありゃ苦もあるさ

 ご存じのように、トランスフォーマーで人気のあるキャクターなどでは、度々姿を変えて登場するものが少なくない。コンボイ司令官などはその典型的な例と言えよう。ここでは、そうしたキャラクターの変遷の歴史を振り返ってみたいと思う。

 

 パワーアップして生まれ変わったキャラクターといえば、なんと言ってもトランスフォーマー・ザ・ムービーにおけるホットロディマス=ロディマスコンボイが有名である。だが、これは特殊な例であり、他の再登場キャラクターとは意味合いが異なる。なぜなら、ホットロディマスがロディマスコンボイになることは最初から決まっていたことであり、人気によってもたらされた結果ではないからだ。
 というわけで、トランスフォーマー史上初めて生まれ変わったキャラクターは、他ならぬロディマスのライバル、ガルバトロンである。ムービーにおけるメガトロンからガルバトロンへの転生は、非常に強いインパクトを持っていた。とはいえ、元々ガルバトロンのトイはメガトロンの転生として開発されたわけではなく、アニメスタッフサイドの思惑によって後天的に変更されたものである。そのため、ロディマスコンボイとは逆の意味で、やはり人気によってもたらされた生まれ変わりとはやや意味が違う。また、その部下のサイクロナスとスカージ(スウィープス)も一応転生キャラクターではあるが、転生前後でのキャラクターの継続性に乏しいためここでは別の扱いとする。

 一方、サイバトロンで初めて登場したのはゴールドバックであった。ゴールドバックこそが初めて自らの人気で転生をなしえたキャラクターであると言えよう。ゴールドバックが生まれた頃、まだアメリカでは今ほど同一のキャラクターをバージョンチェンジして再登場させることは主流ではなく、むしろ同じ型でも色を変えて新規のキャラクターと称して発売したりすることの方が多かった。キャラクターの人気よりも、商品点数を増やすことを優先していたのである。それが証拠に、バンブルはゴールドバックという別の名前を与えられての登場であった。やがて、アメリカのアクションフィギュアは徐々にキャラクターの人気に頼ったバリエーションばかりの展開になっていくが、それはトランスフォーマーに於いても同様である。
 ゴールドバックの次に現れたのは、ターゲットマスターとして生まれ変わったホットロディマス、チャー、ブラー、サイクロナス、スカージである。もっともこれらは本体が同じでオプションだけ変更したものだが、比較的人気のあるキャラクターを改修して販売し、しかもそれが一つのシリーズをなしていることは特筆に値しよう。

 そして、いよいよパワーマスターオプティマスプライム(コンボイ司令官)が登場する。ゴールドバックの場合はスロットルボットの展開のついでという感がなくもなかったが、コンボイ司令官のパワーマスター化、つまり新規造形によるバージョンアップトイの登場は、この後続々登場することになるバージョンアップキャラクターの先触れとも言えるものである。続いて、プリテンダークラシックとしてマイスター、グリムロック、バンブル(2度目!)、スタースクリームが登場することになる。「プリテンダークラシック」というシリーズタイトルからして、過去の人気キャラクターを再登場させるものというコンセプトが前面に押し出されたものであった。
 さらに翌年にはアクションマスターとして二桁に上るキャラクターが再登場を果たすことになる。しかし、これはシリーズ自体がかつての勢いを失い、往年のキャラクターの人気に頼らざるを得なかったことの証明でもあった。かくしてトランスフォーマーのいわゆるG1世代は幕を閉じる。

 

 Generation2は、開幕当時G1の初期シリーズの改修再版が主流であった。これは、かつての人気キャラクターを再登場させるということと同時に、シリーズ初期の完成度の高い玩具を見直し、トランスフォーマー本来の魅力である玩具としてのおもしろさを追求するものであったと言える。だからこそ、G2に於いてはシリーズを重ねて新規商品が製作されるようになっても、かつてのようにどんどん構造が単純化していくような事はなく、むしろ変形の複雑化や関節可動など玩具として正しい進化を見せていく。この時期に登場したアーティキュレイテッドトランスフォーマーのおかげで、今では関節の動かないトランスフォーマーなど考えられなくなってしまったほどだ。
 しかし、残念なことに、G2も徐々に失速の兆しを見せ始める。G2最後の年に発表されたラインナップは、半数近くが同年、ないし前年の玩具の色替えで、しかも旧シリーズのキャラクターの名を冠したものであったことは、別項にて述べたとおりである。そして、ついにはその座をビーストウォーズに明け渡すこととなってしまうのだ。ビーストウォーズにおいても旧シリーズのキャラクター名を持つものが多数存在するが、キャラクター設定として以前のキャラクターとの連続性を持つものは、両軍リーダーを除けばグリムロックぐらいである。(そのため、ここではキャラクター的に関連が薄いと思われる同名キャラはなるべく扱わない。)

 

 では、ここからは代表的なキャラクターにスポットを当てて、その変遷を見てみよう。

 

・コンボイ Optimus Prime

 言うまでもなくサイバトロンを代表する総司令官であり、もっとも人気のあるトランスフォーマーの一人である。生まれ変わった回数も群を抜いており、各時代のトランスフォーマーを映す顔となっている。

'84 Optimus Prime(コンボイ)
'88 Powermaster Super Optimus Prime(スーパージンライ)
'90 Armored Convoy / Actionmaster Optimus Prime
'91 スターコンボイ
'93 Optimus Prime *Collector's Edition
'94 Hero Optimus Prime(コンボイミサイルトレーラー)
'95 Laser Optimus Prime(バトルコンボイ)
'95 Gobot Optimus Prime(オプティマスプライム)
('95 Hero Optimus Prime ver'95)
('95 Autoroller General Optimus Prime)
'96 Optimus Primal(コンボバット)
'96 Optimus Primal(コンボイ)
'97 Machine Wars Optimus Prime
'98 Transmetal Optimus Primal(トランスメタル コンボイ)
'98 Transmetal Optimal Optimus(トランスメタル新コンボイ)

 

 コンボイの永遠のライバルにして、デストロン軍団のリーダー。劇場版にてコンボイと共に倒れるもガルバトロンとしてすぐさま復活するなど、コンボイ以上のしぶとい活躍を見せている。(ビーストウォーズセカンドのガルバトロンは完全に別のキャラクターなので除外する。)

'84 Megatron(メガトロン)
'87 Galvatron(ガルバトロン)
'90 Neutro-Fusion tank / Actionmaster Megatron
('91 スーパーメガトロン&ウルトラメガトロン)
'93 Megatron Tank(メガストーム)
'94 Hero Megatron(メガトロンミサイルタンク)
'95 Gobot Megatron(メガトロン)
('95 Hero Megatron ver'95)
('95 Megatron ATB)(スタースクリーム&BB)
'96 Megatron(メガリゲーター)
'96 Megatron(メガトロン)
'97 Machine Wars Megatron
'98 Transmetal Megatron(トランスメタル メガトロン)
'99 Transmetal2 Megatron

 

 トランスフォーマー随一のコメディリリーフにして、もっとも息の長いキャラクターの一人。生まれ変わった回数が、その人気のほどを示している。しかし、いまだビーストウォーズにはその名前すら登場していないのは、意外と言えば意外だ。

'84 Bumblebee(バンブル)
'87 Goldbug(ゴールドバック)
'89 Pretender Classics Bumblebee
'90 Actionmaster Bumblebee
'93 Bumblebee
'95 Gobot Bumblebee

 

 なぜか憎めないデストロン一の野心家。メガトロンを裏切った回数、数知れず。バンブル同様ビースト戦士には生まれ変わっていないが、アニメには昔のままの姿で登場するという快挙を果たした。(死んでるけど。)

'84 Starscream(スタースクリーム)
'89 Pretender Classics Starscream
'90 Turbo Jet / Starscream
'93 Starscream
('95 Megatron ATB)
'97 Machine Wars Starscream

 

 乱暴者のダイノボットのリーダーだが、愛嬌があり憎めない人気キャラ。コミックでは、コンボイ不在の間に司令官を務めたこともある実力者である。

'85 Grimlock(グリムロック)
'89 Pretender Classics Grimlock
'90 Actionmaster Grimlock
'93 Grimlock
'97 Grimlock(グリムロック)

 

・サウンドウェーブ Soundwave

 デストロンの情報参謀。人気を反映して、生まれ変わった回数も少なくない。

'84 Soundwave(サウンドウェーブ)
'87 サウンドブラスター
'90 Actionmaster Soundwave
'95 Gobot Soundwave(サウンドウェーブ)
('95 Lasercycle Soundwave)
'97 Machine Wars Soundwave

 

・マイスター Jazz

 いまいち影は薄いが、トランスフォーマー開始当初から活躍している歴戦の勇士。

'84 Jazz(マイスター)
'89 Pretender Classics Jazz
'90 Actionmaster Jazz
'93 Jazz
('95 Lasercycle Jazz)

 

・ランボル Sideswipe

 マイスター同様、長い間活躍しているサイバトロンの代表的な戦士の一人。

'84 Sideswipe(ランボル)
'91 Actionmaster Sideswipe
'93 Sideswipe
'95 Gobot Sideswipe

 

・スナール Snarl

 ダイノボットの一人だが、他のメンバーに較べてさほど人気があるとも思えないのに、なぜか何度も生まれ変わっている。ビースト版に関しては、同一キャラかどうか不明だ。

'85 Snarl(スナール)
'90 Actionmaster Snarl
'93 Snarl
'97 Snarl?(タスマニアキッド)

 

・デバスター/ビルドロン部隊 Devastator/Constructicons

 合体兵士の中でも、特に人気のあるキャラクター。アクションマスターにまでなっている。もっとも、アクションマスター版以外はただの色替えなのだが。

'85 Devastator / Constructicons(デバスター/ビルドロン部隊)
'90 Actionmaster Devastator
'92 New Constructicons
'93 Constructicons

 

・リジェ Mirage

 これまた古参のサイバトロン戦士。

'84 Mirage(リジェ)
'90 Actionmaster Mirage
'95 Gobot Mirage
'97 Machine Wars Mirage

 

・インフェルノ Inferno

 消防車というポピュラーなモチーフが受けてか、息の長いキャラクターになっている。ビースト版は完全に別キャラだと思いたいが、劇中では元々サイバトロンで洗脳されたという設定や真っ赤なボディなど、否定しきれないのが悲しい。

'85 Inferno(インフェルノ)
'90 Actionmaster Inferno
'93 Inferno
'97 Inferno?(インフェルノ)
'98 Transmetal Scavenger??(インフェルノ)

 

・プロール Prowl

 やはりポピュラーなパトカー戦士。劇場版で一度死んじゃっただけに、復活は嬉しい。

'84 Prowl(プロール)
'90 Turbo Cycle / Actionmaster Prowl
'97 Machine Wars Prowl
'97 Prowl?(ライオジュニア)
'99 Transmetal2 Prowl?

 

・ハブキャップ Hub Cap

 生まれ変わった回数は決して多くないが、別に人気があるわけでもないので、生まれ変わる度に「なぜこいつが?」と言われる不幸な奴。

'84 Hub Cap(ハブキャップ)
'93 Hub Cap
'97 Machine Wars Hub Cap

 

・サンダークラッカー Thundercracker

 ジェットロンの一人でスタースクリームの同僚だが、彼と較べると各段に影が薄い。

'84 Thundercracker(サンダークラッカー)
'91 Actionmaster Exo-Suit Vehicle Thundercracker
'97 Machine Wars Thundercracker

 

・ブロードキャスト Blaster

 サウンドウェーブのライバルのはずだが、人気では完全に負けているのが悲しい。

'85 Blaster(ブロードキャスト)
'87 ツインキャスト
'90 Actionmaster Blaster

 

・アイアンハイド Ironhide

 コンボイ司令官に次ぐ古参戦士という設定だが、最初の玩具か似ても似つかなかったせいか、10年もの間忘れられていた。

'84 Ironhide(アイアンハイド)
'95 Gobot Ironhide
'95 Powermaster Ironhide
'97 Ironhide?(サントン)

 

・シルバーボルト Silverbolt

 エアーボット部隊のリーダーだが、名前の響きが良いせいか、ビーストウォーズで2度も別のキャラに使われている。

'86 Aerialbot Silverbolt(シルバーボルト)
'94 Aerialbot Silverbolt
'97 Silverbolt?(スカイワープ)
'98 Fuzor Silverbolt?(シルバーボルト)

 

・エアーライダー Air Raid

 エアーボットの一員にすぎないくせに、2度も生まれ変わっている運のいい奴。

'86 Aerialbot Air Raid(エアーライダー)
'94 Aerialbot Air raid
'95 Cyberjet Air Raid(エアロレード)

 

・チータス Cheetor

 ビーストウォーズで、リーダーを除けば唯一2度も生まれ変わっている。それだけ人気があると言うことか。キャラクター的には、ホットロディマスに近い感じがする。

'96 Cheetor(チータス)
'98 Transmetal Cheetor(トランスメタル チータス)
'99 Transmetal2 Cheetor

 

・ホットロディマス Hot Rod

 トリはこの人。人気の割には、ありふれた名前のせいか冷遇されている。一度だけデストロンになっているが、さすがにこれは同名の別人と考えるべきだろう。

'86 Hot Rod(ホットロディマス)
'86 Rodimus Prime(ロディマスコンボイ)
'91 マイクロTF ホットロディマス
'94 Illuminator Hot Rod?
('97 Machine Wars Rodimus Prime)

 

 以上、2回以上の転生を果たしたものだけをピックアップしてみた。この他、1度だけ転生したものには以下のようなキャラクターがいる。(名前が同じものはキャラクターの同一性があやふやでも一応挙げてある。)

アクションマスターとして転生:レーザーウェーブ(Shockwave)、ホイルジャック、オメガスプリーム、トラックス、ボンブシェルなど

G2で仕様替え再版:ラムジェット、スラッグ、エアーボット部隊、コンバットロン部隊、ブレークダウン、シズル(Flamefeather)、ジャビル(Sparkstalker)など

G2で転生:ストレイフ、スカイファイヤー(Jetfire)、フレンジー、Roadblockなど

ビーストウォーズで転生:メガザラック(Scorponok)、バズソー、イグアナス、コンドル(Laserbeak)、レイザークロー、ラムページ、ボーンクラッシャー、アムホーン(Ram Horn)、スカージなど

トランスメタルで転生:全員

トランスメタル2で転生:スピッター、サイバーシャーク、ダイノボットなど

その他:ライトスピード、サンドストームなど

 

 

 安易な名前の転用はあまりありがたくははないが、人気のあるキャラクターが長く活躍し続けることは嬉しいことだし、うまく使えばシリーズを盛り上げる起爆剤にもなる。我々トランスフォーマーのファンとしては、今後とも温かい目で見守っていきたいものである。

 

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